2章 infinity-zero

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9月20日(火)続き 「なぁ」 「え、あ……はい?」 如月さんがこっちを向くと、その刺激的な目線にドキっとしてしまいます。 「誰にも言わないって、約束してくれるか」 「は、はぁ」 「……笑わないって、誓えるか?」 「はい。それは、もちろん」 ――あの。言いたい事は何が何だかわからないけど、そんなに凄まれて、笑っちゃうかもしれません、って言える女の子がいたら会ってみたい。 如月さんが何を話そうとしているのかはわからないけど、そんなに恥ずかしい話なのかな? 私が疑問に思っていると、如月さんはバツが悪そうな顔をして、ぶっきらぼうな口調のまま話し始めました。 ……その内容は、如月さんに秘密だと凄く念押しされた事なので、ここで明かすわけにはいきません。 二人だけのナイショ。そんな言葉の響きに少しだけドキドキしちゃいますが、如月さんが言ったような笑うような話でもなくて、すっごく真面目な話でした。 きっと、夢を語って笑われると思ったんだろうな。 でも、それを笑うなんてとんでもない。如月さんは如月さんで、新しい道を歩もうとしているって事なんだってわかったから、私はその事で嬉しくなってしまいました。 そして……それと同時に、どうして如月さんがこんな事を私に話してくれたのか。 その意味も理解していました。
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