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9月21日(水)
マスター、そして如月さん。
彼らが単独で動いていたわけはありません。マスターはまだしも、如月さんは私のテストの事情も、新しい戦いのことだって知らないでしょう。
――それでも、来てくれた。
例えマイウイングに参加していなくたって、マイウイングを辞めたって……直接顔を合わせたのが数回しかなくたって、私達は繋がっている。
どんな道を辿って彼らに繋がったのかを想像するのは簡単です。どうせ選択肢は限られているし、こういう事をするのはさらに限られます。
誰がしたのかを考える必要もありません。ただ、何のためにこんな事をしたのか。それさえ見落とさなければ、これから何をすればいいかぐらいははっきりしました。
――こんな回りくどい事をしなくたって、直接言ってくれればいいのに。
そうしてくれれば落ち込まなくても済んだし、あれこれと気を揉んで緊張する事もなかった。
やっぱり、そういう所はイジワルだ。
だけど……それも全部私のためだと思えば、悪くはない。
きっと、こんな事がなかったら私自信も目が覚める事もなかっただろう。どこかで逃げ腰になって、輪の中心に入らずに遠くから眺めている事に慣れてしまったのかもしれない。
持たざる者だって、主人公に、ヒロインになろうと努力したっていい。みんなが油断しているようなら、新しい救世主の座だって奪い取ったって構わない。
どうせ何も持ってないんだから、失うものだって無いんだもの。遠慮するだけ損。
それを教えてくれたのは、マイウイングのみんななんだから。
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