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「……んはっっ!!!!!!」
……たっぷりと間をおいてから、俺は声をあげた。
いや、声にはなっていなかったかもしれない。息を急激に吸い込みすぎて、喉が変な音をあげた。
お…
お…
「…男?!」
思わず口をついて出た言葉。
それははっきりと声になっていて、自分の耳にもしっかりと届いた。
そして、コイツにも。
パチリ…と、効果音が付きそうなくらい、そいつは目をはっきりと開けた。
俺の声がそうさせたんだろう。そして、その茶色がかった瞳孔が、俺をはっきりと捕らえていた。
「…おはよ……」
ソイツの第一声だ。
そして、その声もまた、コイツが女ではないことをはっきりと示していた。
「……ってかさ……なんつー顔してんの…?」
ソイツは目を細めてそう言うと、ゆっくりと体を起こした。
ヤツに言われるまでもない。俺、きっとこの時、顔面蒼白だったに違いない。
当然の事ながら、…いや、認めたくはないが、ヤツも全裸だった。
しかも…まるで作り物のような、綺麗な体。陶器のような白い肌………
……いやいや、俺は全くそっちの気はない!!
絶対ない!!
「…何かの間違いだ……!」
俺から出た言葉は、これがやっとだった。
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