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痛くはない。
だって足元にあったのはふかふかの絨毯だし。
だけどお酒のせいなのか視界がぐるぐると回ってる気がする。
「大丈夫ですか?」
宗助さんの端正な顔が視界に入るとまた体温が上がった気がした。
腕を引かれてゆっくりと体を起こされる。
この腕に今から抱かれるのかと思うと頭の血管が切れそうになる。
ドクドクと血液が流れる音が聞こえる気がした。
「瑞希?」
急に無口になった私を怪訝そうに宗助さんが覗き込んでくる。
だから顔が近いんだってば。
そんな風にされたら余計に何も答えられなくなるのに。
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