第1話 ロイヤルスイートな夜【瑞希Ver.】

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「ここしばらく式の準備で疲れてたでしょう?」 「……」 「今日は何も考えずにぐっすりと眠ってもいいんですよ?」 ポカンと宗助さんの顔を見上げると、穏やかで優しい微笑み。 そこには下心なんて何もなくて。 逆に勘繰りすぎていた自分を恥ずかしく思う。 宗助さんの言ってることは本当だった。 今日だって式の準備と緊張で精神的にはクタクタだ。 でもこのまま私だけ寝ちゃうなんて……。 「本当に寝ない。まだ寝たくない」 せっかくのニ人っきりの夜にそんなのは寂しい。 「もう少し宗助さんと話がしたい」 そう言ったのは本心には違いない。 けど。
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