第1話 ロイヤルスイートな夜【瑞希Ver.】

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本当はその先も何もないのは寂しかったりして。 本当はもっと触れて欲しいし、宗助さんを感じたい。 とか。 思い切り期待しちゃってる自分がいることがまた恥ずかしい。 私の意志を尊重してくれるらしい宗助さんは歩みを止めて、くるりと方向転換した。 抱っこから下ろしてくれればいいのに、そうしないのは私が酔いつぶれてると思ってるせいだ。 「ね、宗助さん下ろして? 大丈夫だから」 そう伝えると案外アッサリと柔らかい絨毯の上に下ろしてくれた。 自分の足で立つと軽く目まいがして、やっぱり酔っていることが分かる。 でも立てないほどじゃない。 自慢じゃないけど酒豪の父親の血を継いでるんだから。 「酔い覚ましにお風呂入ってきますね」
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