第1話 ロイヤルスイートな夜【瑞希Ver.】

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こんな本格的なバラ風呂初めてだ。 思わず顔を近づけてバラの香りを胸いっぱい吸い込んだ。 「女性はこういうのが好きですね」 はしゃぐ様子を微笑ましく見られて、恥ずかしい。 でもやっぱり嬉しい。 新婚初夜はお姫様待遇を受けられるものらしい。 いや、やっぱり宗助さんが特別なのかも……。 「これだけ花びらが浮いていれば入浴剤がなくても大丈夫でしょう」 言いながら宗助さんがニットカーディガンのボタンを外してくる。 「えっ、だって浮いてる花びらなんて宗助さんの意思ひとつで簡単にどけられちゃうじゃん!」 「大丈夫、大丈夫」 と言いながら中に着ている半袖ニットまでめくられる。 「バンザーイ」と子どもに言うようにかけ声をかけられて、思わず両手を上げてしまった。
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