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期待と、ここはお風呂だって理性の狭間で。
聞こえる水音はお湯が滴る音なのか、合わせてる唇から聞こえてるのか。
頭の芯が熱くなる。
あっという間に理性を失わされて、しがみつくように宗助さんの背中にもう一度腕を回した。
「瑞希……」
ため息交じりで名前を呼ばれれば、体はいっそう熱くなって、もう抵抗することなんてできない。
そっと唇が離れた後、ぼうっとした瞳で宗助さんを見つめると困ったように笑われた。
「のぼせると困るから先に瑞希が洗って」
続きをするつもりがないことに気づいて、ハッと我に返った。
……宗助さんはそこまで変態じゃなかったらしい。
自分だけがその気だったみたいで恥ずかしくなって、宗助さんの肩に手をかけてくるりと後ろを向かせると、熱い頬を押さえてバスタブから上がった。
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