第1話 ロイヤルスイートな夜【瑞希Ver.】

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期待と、ここはお風呂だって理性の狭間で。 聞こえる水音はお湯が滴る音なのか、合わせてる唇から聞こえてるのか。 頭の芯が熱くなる。 あっという間に理性を失わされて、しがみつくように宗助さんの背中にもう一度腕を回した。 「瑞希……」 ため息交じりで名前を呼ばれれば、体はいっそう熱くなって、もう抵抗することなんてできない。 そっと唇が離れた後、ぼうっとした瞳で宗助さんを見つめると困ったように笑われた。 「のぼせると困るから先に瑞希が洗って」 続きをするつもりがないことに気づいて、ハッと我に返った。 ……宗助さんはそこまで変態じゃなかったらしい。 自分だけがその気だったみたいで恥ずかしくなって、宗助さんの肩に手をかけてくるりと後ろを向かせると、熱い頬を押さえてバスタブから上がった。
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