第1話 ロイヤルスイートな夜【瑞希Ver.】

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パッと見、甘い生活に見えてもそこには蜜だけじゃないことを私は知っているから。 だからこれが理想の生活だとは思わない。 「でも一夜の夢だけならいいよね……」 もしかしたら一生のうちでこんな贅沢な夜を過ごすことはもうないのかもしれない。 グラスを持ったまま奥のベッドルームへと入ってみた。 「うわー……。ほんとにあったよ……」 思わず独り言を呟いてしまった。 広いベッドルームの壁際にドドンと置かれた大きな天蓋付きのベッドを見つけて。 いわゆるお姫様ベッド。 こんなところで実物にお目にかかれるとは思わなかった。 1人でベッドで待ってるわけにもいかず、ドアを閉めてそそくさとリビングへと戻ると、ちょうど宗助さんがバスルームから出てきたところだった。
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