第1話 ロイヤルスイートな夜【瑞希Ver.】

38/57
前へ
/282ページ
次へ
「……宗助さんから聞いてなくても、小百合ちゃんからきっと聞いてたと思う」 「……」 「でも宗助さんから聞けてよかった」 「……」 それは心からの本心。 宗助さんが話してくれて嬉しい。 「じゃあ、そろそろ次は瑞希さんが白状する番ですね」 2人で照れ笑いをした後、宗助さんが意地悪に微笑んだ。 いつもの調子を取り戻したらしい。 だけどそれが逆に嬉しいから、私は仕方ないなあとため息をついて大人しく口を割った。 「さっきのは確かに課長のこと考えてましたよ。毎日ビール飲んでたなんて言うから、働いてた時のこと思い出してて……」 「そうですか」 にっこり笑うその表情が怖い。
/282ページ

最初のコメントを投稿しよう!

36177人が本棚に入れています
本棚に追加