第1話 ロイヤルスイートな夜【瑞希Ver.】

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思わず上体を起こして後ずさると、ボフンと柔らかい枕に背中が当たった。 いったいいくつ枕があるんですかってくらい無駄に置いてある。 宗助さんは微笑みを湛えた目でじっと見つめてくる。 その瞳の奥の湖には私だけが映っている。 胸がドキドキする。 こんな風にただ見つめられるなんて、一番苦手だ。 まだ意地悪言われてる方がマシなのにって思ってしまう。 だってきっと私の顔はまた赤くなってる。 今、この時宗助さんは何を考えてるんだろう。 たまにサッパリ分からなくなる。 好きなのに、好きすぎて相手の思考が読めなくなる。
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