第1話 ロイヤルスイートな夜【瑞希Ver.】

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こんな風に感じるのは宗助さんが初めて。 今まではそこまで相手の思考を気にしてなかったのかもしれない。 だから私はいつものように宗助さんが口を開くのをじっと待つしかなかった。 だって「続きはベッドの上」って。 続きなんてもうないのに。 考えてたことは白状したのに。 これ以上なにを……。 「……あのとき、」 「え?」 「婚約を解消したいって瑞希が言ったとき」 「う、うん」 「袴田が会社を辞めたとき」 「……うん」 「瑞希はなにを言われたの?」 「……」 は……、白状ってあのときのことですか!? 私の頭の中は完全にムンクの叫びになっていた。
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