第1話 ロイヤルスイートな夜【瑞希Ver.】

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「瑞希、嫌?」 唇を離して小首を傾げて聞いてくる。 ……嫌、じゃないけどっ。 「そうじゃなくて……っ」 やっとしゃべれるチャンスがまわってきたのに今度は酸素が足りなくてどもってしまった。 「ひゃあっ」 その隙にはだけた隙間から大きな手に太ももを撫でられる。 そんなの反則だから! 宗助さんのせいでどんどんバスローブがはだけてきて、私はとりあえず一番伝えなきゃいけないことを大声で叫んだ。 「で、電気……! 電気消して……!!」 慌てる私を楽しそうにクスクスと笑いながら宗助さんが見下ろしている。 よかった、怒ってはいないみたい。 ちょっとだけホッとする。 さっきのキスが少し強引だったから。
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