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「実力ではなかったかもしれませんが、僕が自分で稼いだお金です」
黄金色のシャンパンが細いグラスに注がれて、泡が弾ける。
注ぎ口に向けられた宗助さんの横顔は微笑んでいたけれど、少し寂しそうに見えた。
「……そ、そんなこと思ってない！ 宗助さんが一生懸命仕事してたこと、私知ってるから」
社長の息子だってだけで宗助さんは色眼鏡で見られることもあったのかもしれない。
だからこそ、あんな風にがむしゃらに仕事してたのかもしれない。
勝手に感情的になった私を諌めるように、宗助さんがグラスを握らせる。
「じゃあ、僕のお金を二人の新婚初夜の為に使うことに異存はありませんよね」
「……」
ニッコリ満足そうに笑われて私は頷くしかない。
なんだか宗助さんの思うように操られているような……。
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