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「……もしかして演技!?」
「何がですか?」
「寂しそうな横顔とか! もしかして全部演技だったの!?」
「言ってる意味が分かりません」
クスクスと笑う宗助さんは楽しそうで、どこまでが演技でどこからが本心だったのかあっという間に分からなくなる。
煙に巻かれる。
「二人の夜に乾杯しましょう」
普通の男の人が言ったら寒気がするような台詞も、宗助さんが言うと自然に聞こえるから不思議だ。
私は狐につままれたような気分のまま、カチンとグラスを合わせた。
注ぎたてを口に含むとシュワシュワと弾ける炭酸が口内を刺激する。
「……美味しい!」
結婚式で出てきたシャンパンも美味しかったけれどこれはまた格別。
ほんのり甘くて全然アルコールっぽくない。
「いくらでも飲めそう」
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