第1話 ロイヤルスイートな夜【瑞希Ver.】

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突然の大胆発言に目を丸くして口内のイチゴをゴクンと飲み込むと、宗助さんは「そんなに驚かなくても」と少し複雑そうな顔をした。 ……確かに。 新婚初夜だし! それって普通なのかもしれないけど! むしろ普通のカップルには日常なのかもしれないけど! 宗助さんが私の実家まで来てくれて以来、私達は実家で私の両親と同居している。 だからこんな風に甘い雰囲気になることなんてなくて。 家業を立て直すことに必死で、結婚式の準備でバタバタで。 本当の意味で二人きりになることなんて久しぶりだから。 心臓がバクバクとすごい勢いで鼓動を奏で出した。 「瑞希さん顔が真っ赤です」 「わぁっ」 だから宗助さんが私の頬に手を伸ばしたときに、私は緊張でのけ反るあまりにソファから転がり落ちてしまった。
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