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「位置について、よ~い……パンっ!!」
大きな音と共に俺は白線を跨いだ。暑過ぎる太陽の光を浴びながらグラウンドを風を切りながら駆けていく。
目の前には、俺の前を走る奴の背中がある。
これなら抜かせる!!
声援が飛び交う中、足に力を入れて地面を蹴った。
あと少し、もう少し速く!
そんな事を考えているうちに、バトンゾーンまで来てしまった。
第二走者にスマン!がんばれと声をかけて息切れしながら、グラウンド内に入った。
「速かったじゃねぇか、聖!お疲れ!!」
アンカーの襷を肩にかけた辰哉が俺の背中をたたく。
「スマン。トップでバトン繋げなかった。」
「そんな重く考えるなって!抜かせなかったとは言っても、三位の奴らからかなり引き離してるし。」
満面の笑みで走っている奴を見ながら言った。
「大丈夫だって!俺が絶対抜かして、一位とって見せるから!!」
その笑顔はまさにニカッという言葉がよく似合う笑顔だった。
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