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「ふぅ~……なぁ、本当に大丈夫なのか?」
「はい、゛アレ゛は……黒い姿をした貴方は放って置いても、街や人に危害は加えませんよ……」
何だ、大丈夫じゃないか。
と健太は心の中で安堵した。
だが、少女は続けて告げる。
「ですが、たった一人を除いてですがね」
まさか、それって……
「そうですよ、貴方です。兎神健太さん」
やっぱりね、薄々気付いてたさ。
「ところで、君の名前は?」
色々考えて出た質問が此だった。
もう少し考えるべき、と後悔した。
「私の名前は、坂部詩穂(サカベシホ)です。詩穂って呼んでください。それと、時間が動き始めたので学校に向かいません?」
「あっ……うん」
そう言えば、学校に行かないといけないんだった。
そうして、徐々に人や車が通い始め健太と詩穂の二人は肩を並べ歩いていた。
「………………」
「………………」
互いに無言で、歩いている。
他の新入生は喋ったり笑ったりして居るのに、もうかれこれ五分もこの状態が続いている。
「「………………」」
やはり無言のままだった。
そして、学校の正門に着いた。
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