序章 二

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「ふぅ~……なぁ、本当に大丈夫なのか?」 「はい、゛アレ゛は……黒い姿をした貴方は放って置いても、街や人に危害は加えませんよ……」 何だ、大丈夫じゃないか。 と健太は心の中で安堵した。 だが、少女は続けて告げる。 「ですが、たった一人を除いてですがね」 まさか、それって…… 「そうですよ、貴方です。兎神健太さん」 やっぱりね、薄々気付いてたさ。 「ところで、君の名前は?」 色々考えて出た質問が此だった。 もう少し考えるべき、と後悔した。 「私の名前は、坂部詩穂(サカベシホ)です。詩穂って呼んでください。それと、時間が動き始めたので学校に向かいません?」 「あっ……うん」 そう言えば、学校に行かないといけないんだった。 そうして、徐々に人や車が通い始め健太と詩穂の二人は肩を並べ歩いていた。 「………………」 「………………」 互いに無言で、歩いている。 他の新入生は喋ったり笑ったりして居るのに、もうかれこれ五分もこの状態が続いている。 「「………………」」 やはり無言のままだった。 そして、学校の正門に着いた。
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