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「…………何なの、この激山道は…」
右を見ても左を見ても後ろを見ても前を見ても、木ばかり。
緑色一色ののどかな景色に、目に優しいな…なんてことを考えることも出来ず、私はひたすらに歩みを進めた。
私は今、神主さんの依頼として、三大悪妖怪が封印されているという土地に大荷物を背負いながら向かっている。
何故そんな大荷物なのかというと、今回の依頼期間が長いからだ。
*****
『……三年!?
私はその土地に三年も居なくちゃならないんですか?!』
私が思わず膝立ちになると、神主さんは悲しそうに眉を寄せた。
『やっぱり…ダメかな?』
『ダメですよ…三年だなんて。そもそも、何もない土地にどうやって…』
『あ、それは大丈夫!』
神主さんはニコリと笑った。
『そこには僕が理事長をしている学園があるから!』
『………え』
『申し遅れたね。
僕は章樫之杜学園理事長、御影 裕章と言います。以後、お見知りおきを』
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