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少女は今にも走り出しそうな勢いで言った。
そんな、少女に対し秀亮はゆっくりと答える。
「優子、プリントに書いてただろ。卒業式の日はいつもの30分遅い時間に登校って。」
優子と呼ばれた少女は、驚いた顔をして言った。
「うそー、じゃあもうちょっと寝れたじゃん。」
「プリントくらい読んどけよ。」
もう少し寝れてたとがっかりする優子を見て、秀亮は笑いながら言った。
「まあ、ちょっと早いけど行くか。準備はできてるし。」
秀亮はカバンを持ち、しっかりと扉に鍵をかけた。
優子はすでに道に出て、秀亮を待っている。
「じゃあ、行こ!」
優子のこの言葉と同時に二人は歩き始めた。秀亮が上を見上げると、
さっきの天気予報の通り、空にはきれいな青空が広がっていた。
「あのさ…」
優子の声で、空を見ていた秀亮は目線を優子に向けた。
「結局、進路どうしたの?」
優子はそう言いながら、複雑な表情をしていた。
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