《第2章:進路》

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「やっと、終わった。」 秀亮は疲れたように体育館から出てきた。 体育館の中からは、卒業生を送る在校生の拍手の音がまだ鳴り響いていた。 しばらくすると、他の卒業生も出てきた。 女子生徒の中には泣いているのか、ハンカチで顔を隠している子もいた。 「秀亮、先に行くなよ。」 春は秀亮の肩を軽くポンッとたたいた。 「暑かったから、早く外に行きたかったんだよ。」 秀亮は額の汗を春に見せた。 確かに8月ということもあり、気温はとても高く、体育館の中はサウナ状態だった。 「だからって見送りのときに早足で歩くやつがいるかよ。」 春は笑いながら言った。 2人が話していると先生の声が聞こえた。 体育館横の花壇の前に立っている先生の周りには、秀亮のクラスメイトたちが集まっていた。 秀亮と春は、クラスメイトの中にこちらに向かって手招きをしている優子の姿を見つけ、急いで先生のもとに行った。 「勝手に動くな!卒業式が終わったら集まれと言っただろ。」 先生のどなり声が響く。
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