━00.狼煙

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━━ドォォォオオン!! 辺りを巻き込み、爆風は瓦礫を吹き飛ばす。 その爆風によって、響く轟音と共に穴が開いた立派なビル。 『━━おぉっと!ビルが倒壊してしまった。ホストプレイヤーは無事なのでしょうか!?』 爆ビルを中心に上空を旋回するヘリ、そのヘリの中でマイクを持ち実況するアナウンサー その隣からカメラを持った男は、ビルの隙間から、爆発があったであろう場所へそれを向ける カメラに着いた液晶画面は次第にクローズアップされた。 現場は未だに、辺りに砂塵が舞い、 煙に包まれ何が何だか分からない状況。 段々と晴れてく砂塵の霧の中で二つの人影がうっすらと現れ、 一つの影が、音を発てずにゆっくりと崩れていく やっと砂塵の霧は晴れ、 一人の男が血の滴る頭を押さえながら姿を現した。 『やっと霧が晴れましたね!皆さんお待ちかねの…決着です』 カメラマンはアナウンサーに呼応した様に更にレンズを絞り、ただ一人立っている人物めがけ、画面にクローズアップする 男の顔が映され、アナウンサーはワザとらしく間を作り、声を張り上げた。 『今回、白熱した“カウントアップ”を制したのは…! ホストプレイヤー、狭山龍之介━━ ━━その言葉を聞いた瞬間 やっと、自由になれた気がした。
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