第一話

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地下深くの部屋。 そこに佇む一人の少女。 生まれてから一人も人と関わった事の無い哀れな娘。 機械人間の彼女には人と関わる必要など無かった。 彼女の性能は前代未聞。 人間と同じように動き、食事をし、睡眠をとる。 ある意味では規則正しい生活を送っている。 しかし彼女には足りないものが一つある。 それは“言葉”。 人と関わる事の無かった彼女は言葉と接する事も無かった。 それ故言葉を話し、理解する事が出来ない。 10年に及ぶ性能検査の後、彼女は人の世へ出て1年間言葉を覚え話、理解するための訓練がされる。 これに成功すれば彼女は世界一の機械であろう。 しかしこれには少しの手助けが要る。 その人物はこのことについて何も知らない2人のごく普通の高校生。 この実験が上手くいくかは彼等の手にかかっている。
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