第一章 出会い

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今年も梅雨時がやって来た。今日も雨だから、これで5日続いて悪天候だ。朝から大雨警報が発令し、多くの学校が休みとなっていた。なので、いつもは見る登校中の学生を見かけない。駅の近くにも関わらず車があまり走っておらず聞こえるのは雨の音と自分が歩いた時の水が立てる音だけだ。 それは何だか心が虚しい気持ちにさせた。 午前8時30分、高橋和樹は株式会社ASAKIの玄関口へ入った。 「おはようございます。」 事務員の女性の大きな声が聞こえてきた。その声はどこかいきいきとしている様だった。 「おはようございます。」 和樹はボソッと呟いた。 そして、営業部の部屋の扉を開けた。
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