第一章 出会い

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今年で38歳を迎えた和樹は株式会社ASAKIに勤め始めてもう15年になるが未だ平社員。あとから入って来た社員たちは次々と出世していき、今では平社員の中でダントツの年長者になってしまっていた。 恋愛の方面もさっぱりで結婚どころか彼女さえいなかった。一応結婚の約束をした女性はいたが和樹が30歳の時に些細なことから始まったケンカで別れてしまった。それからは一人も彼女どころか女性て親しく触れ合っていない。和樹はもう仕事も恋愛も諦めかけていた。 午後12時30分、和樹は食堂で昼食をとっていた。 席はほとんど埋まっており、社員達は一時の安らぎの時間を同期の仲間達と楽しく話しながら食事している。 だが、和樹の周りには誰一人も居なかった。和樹にとっては虚しいとかはもう思わなくなっていた。 ただ周りのしゃべり声を不快に感じていた。
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