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雪歌…。
目を閉じると雪歌の助けを求めるか細い声が聞こえてくるようだった。
なんで…。助けてやれなかったんだろう。
罪悪感ばかりが募り、どうすればいいのかもう分からない。
いますぐ絵の具で世界を真っ黒に塗ってしまいたい。
なにか…、神様の怒りを買うようなことはしたかな?
オレが悪いなら、父さんじゃなくて、母さんじゃなくて、雪歌じゃなくて、オレを連れていってくれればよかったのに…。
「牧原君」
「何?」
突然後ろから女子生徒に声を掛けられ振り返った。
「早くしなきゃチャイムなっちゃうよ?」
俯きながら照れているように言う。
「ん、分かった」
柚紀が教室に一歩入った後、タイミングよくチャイムがなった。
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