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「おにいちゃん…。たすけて……」
「ゆっ…きか…」
やっとの思いで柚紀は雪歌を引っ張り出した。あちこちが血に濡れている。出血多量で死ぬかもしれない…。
ぐったりとした雪歌を抱き抱え、柚紀は玄関へ駆けた。
燃える家具が柚紀の逃げ道を塞ぐ。
「おいっ!君っ!」
近くで、それでも遠い場所から大人の声がした。
「そこで待ってるんだよ、今助けてあげるからね」
赤い炎の中で赤い服を来ていたけれど、その人はとてもよく目立った。
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