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かたいこと言うなよぉ、と構わず撫でまわす。
「結構恥ずかしいんですよ」
「気にするな。私とゆずちゃんは姉弟だ!」
勝手なことを言い、百合は柚紀の背をポンとたたいた。
「今日も青いなぁ。空」
「そうですね」
窓枠に腕をのせ、さらにその上に自分の顎をのせる。緩やかな風が柚紀と百合の髪を優しく撫でる。空の雲は風に流され形を変え流れていく。
雲一つない空はきっと滅多に見られるものではないと思う。
人はそんな空を見たがるが柚紀は雲のある空のほうが好きだ。
決して同じ顔をしない空と雲が羨ましい。
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