5人が本棚に入れています
本棚に追加
「このクラスの担任になりました、『砂川 捺紀』(スナカワナツキ)です。皆も知っている通り、この稀咲高校は去年から男女共学になったので、多少男子の方が多く女子は何かと不便かもしれませんが、仲良くするように!」
はぁ~いと、皆やる気のない返事をした後、軽く自己紹介をし、先生はクラスの"学級委員"を決めると言い出した。
「誰か、やってくれる人はいませんか?」
「お前やれよ。」
「嫌だよ。お前がやれば良いじゃん。」
自分からは決してやろうとはしない。私もその内の1人だ。
「先生、誰もいないなら僕が引き受けます。」
1人の男子生徒が切り出した。
彼の名前は確か…『汰墅 悠桔』(タナヤハルキ)
「では、女子で1名引き受けてくれる方はいませんか。」
彼は感情の篭っていない。
けれども棒読みではない言い方で問いかけた。
「誰もいないなら、先生が指名しちゃうからなぁ。」
そう言いクラスを見渡した後、ある女子生徒を指名した。
「杞浪さん、私と最初に目が合ったから学級委員は貴女よ。」
何て理不尽な決め方なんだ…
しかし、先生のご指名とあらば断る訳にもいかない。
それ以前に、断る理由がないため私は学級委員になった。
最初のコメントを投稿しよう!