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幼い頃の思い出
うだるような暑さの夏。
「涼ちゃん!!遊ぼう!!」
僕は、家の隣にある涼ちゃんの家の前で大きな声を出した。
すると、二階の窓が開いて、小さな子どもの姿が見える。
「うん!!今ちょうど宿題が終ったところ!今行く!」
顔を覗かせたのは、僕が待っていた涼ちゃんで、涼ちゃんも大きな声で返事を返してくれた。その後、すぐに玄関の扉が開いて涼ちゃんが僕に近づいて、右手をつないで歩いてくれる。
「涼ちゃん。今日はどこに行くの?」
「ん?近くの公園で、ヒーローごっこする。」
「近くの公園?・・・でもあの前にある家の大きな犬が僕怖いんだけど・・。」
「だ、大丈夫だよ。直のことは俺が守ってやる。あんな犬俺は怖くないんだ。」
「ほんと?じゃあ、僕も頑張って付いていく!!」
僕はさらに強い力で涼ちゃんの手を握り返した。
涼ちゃんも嬉しそうな顔をして、公園までずんずん進んでいく。
二人の小さな体は、熱い日差しの中に消えていった。
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