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悠は駅に着いたが、友達が見当たらず電車が来たので乗った。
特急電車に乗ること15分。
電車を降りて歩くこと30分。
(通常は30分もかからない)
見えたのは向かっていた学園だった。
憧れの学園だった。
「ゆーうー!!」
遠くからにこやかに手を振りながらこっちに向かってくる犬がいる。
「……ちっ」
「いや、何舌打ちしてんだよ……」
「……んだよ」
「何でキレてんだよ」
息を切らしながら爽やかな笑顔を浮かべて手を振りながら向かって来たのは、
波瀬旭(はせあさひ)♂15歳。
波瀬の瀬と百瀬の瀬が同じという共通点以外何もない。母さんはそのことで運命ね、と意味不明なことを言っている。
旭とは幼なじみで小さい頃からずっと前髪を上げた淡泊ボーイ。一緒の幼稚園だの同じ学校のクラスだのでついてくるやつ。
165cmの背の低いヤンキー。
兼悠のイヌ。
今だに前髪を上げ、可愛い顔立ちをしていて爽やかな笑顔や明るさが親しみやすく女の子にモテていた。
ただ、小さい子でもないのに前髪を上げ、金髪で眉毛が細すぎるが上に旭といるとある意味目立つ。
勝手に普通に家に入ってくる常識知らずのバカ。でも、何も言えないのが現実。親同士が仲がいいから何も言えない。
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