152人が本棚に入れています
本棚に追加
「あっ蛍だっ!」
店の扉を開ければ
「いらっしゃいませ」も無く
俺の名前を叫ぶ店主。
変わらない屈託無さに
思わず笑みが零れる。
「お久しぶりです大河さん。
暫く来てなかったのに
覚えててくれたんですね。」
「あたりまえだろー、
常連さんの顔は忘れたりしねえよ!
それにしても、フリーで仕事始めてから
全然顔ださねーんだもん。
ちょっと心配してたんだぜ?」
思わぬ所で心配をかけていたらしい。
少々驚いた。
「昼飯買うために寄る事が
無くなりましたもんね…。
でもま、仕事も順調ですし
元気にやってますよ!」
おどけて返した返事に
突然顔を近付けられ
思わず一歩後退する。
大河さん、
眉間のシワが怖いです…。
「うそつけ。
ちゃんと食ってねーだろ?」
見事言い当てられてしまえば
返す言葉も出なくて。
.
最初のコメントを投稿しよう!