寝起きの君へ

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彼を押し返してベッドから降りようとすると。 「いっつ!」 どうやら首筋を軽く噛まれたらしい。 「な、何するのよ!」 「んー、君にしるしをつけようと思って。君は俺だけのものだ。俺がいない間に他の誰かのものになったら困るだろう?」 エースは勝手だ。 こいつは私が一人でどんな気持ちで待っているのか知らないのだ。 エースがいつ城に帰ってくるのか分からないから、私はなるべく城にいるようにしている。 友達以上だけど、恋人というにはまたちょっと違う。 微妙な関係。 それでも私は彼のためにこの世界に残ったのだ。 「俺がいない間に陛下やペーターさんと君が浮気しないか心配だぜ」 エースに信じてもらえなくて、私は悲しいのだろうか。 涙が出てきた。 「アリス?」 ちょっと驚いた顔で彼はそう言う。
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