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「相変わらずね、エース。騎士らしい起こし方じゃないじゃない」
本当は会えて嬉しいのに、素直じゃない私の口からはそんな言葉しか出てこない。
「ははは!君も相変わらず手厳しいなあ。最初はちゃんと騎士らしく起したんだぜ。でも君は起きなかった」
「どうやら激しいほうがお好みのようだ」
そっと耳元で低い声で囁く。
「ばっばか言わないで!そんなわけ…」
真っ赤な顔でそんなことを言っても無意味だろう。
「しかも君から抱きついてくるなんて珍しいな。そんなに寂しかった?」
にんまりと、満面の爽やかな笑顔でそう言う。
しかも機嫌も良いようだ。
「は?抱きつくなんて…」
と自分の今の状態に気付く。
「!!!」
そういえば夢うつつの間でうっかり抱きついてしまったのだ。
急いで離れようと身をよじるが彼がそれを許さない。
気付いたら腰に腕が回されてて動けない。
なんてやつ…
さすがエースというか、手が早い。
呆れつつため息をはく。
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