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* * *
「――で、お前らには山崎の手助けをしてもらいたい」
あれから二刻。
何とか立ち直ったらしい土方さんが、俺と平助に今回の仕事の主旨を話し出す。
………鼻に懐紙を詰めた状態で。
「ぷっ」
「笑うな総司」
「五月蝿いですよ、万年発情野郎」
「くっ」
土方さんに冷たい視線を送り続ける平助に、また笑いが込み上げて来る。
堪え切れずに二回目を吹き出すと、土方さんに睨まれた。
………懐紙を詰めた状態で。
大事な事だから二回言ったんだぜ?
絶対忘れるなよ。
「話戻すと、俺らに芸姑をやってほしいって事?」
「ああ。 ってお前はさっきも言っただろうが」
「俺達が女だから?」
「おい、懐紙を抜くな!!」
「突っ込む所そこですか!? あなた思いきり無視されてますよ?!」
俺が土方さんの言葉を無視して鼻から懐紙を引き抜くと、土方さんは眉間に皺を寄せた。
すると平助が大袈裟にコケて、叫び出す。
うん、最もな意見だな。
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