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―――翌日。
私と蒼と山崎さんは女装して(私と蒼は元より女だけど)、島原に訪れていた。
「ほおぉぉおお……。 島原ってこんな所なんだな。 今まで来た事なんてなかったけと」
「私だって、まさか自分が女装して来る事になるなんて思ってもみなかったよ」
「ほなお二人はん。 世間話はそこらにしといて早う入ってや。 あ、あと口調を京弁にすること。 特に沖田はん」
「ちっ、またあたしかよ」
「それと、間違っても沖田総司とか藤堂平助とか山崎丞とかいう名前を出さんように。 蒼、紫帆、も禁止や」
「分かってますよ」
「俺はお華、沖田はんは椿、藤堂はんは菫や。 なんや花ばっかやけど、気にせんといてな」
「ごめんくださーい」
「………って、人の話を聞かんかい!!」
一人喋り続ける山崎さんを無視して、私達は島原の扉を叩いた。
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