出 逢 い

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      * * * 「今晩から座敷に出てもらいますさかいに。 準備しといて下さい」 「こ、今晩からですか……?」 「そうや。 あんたら新撰組でひょ! 何を甘えとるんどすか!!」 「は、はい!」 思ってたよりも厳しい女将に、紫帆はたじたじ。 うん、これは面白くなりそうだな。 「んで、この部屋をあたしと菫、隣の部屋を華が使えば良いんですね?」 そう問い掛けてみると、女将は鼻息を荒くして頷く。 ………案外下品だな。 「じゃああたし達、探検……じゃなくて、島原見学して来ます」 そうしてあたしと紫帆は、手を繋いで部屋を出た。 「あ、山崎さん忘れてた」 紫帆が呟いたのに、あたしも反応する。 「本当だ。 ま、良いか」
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