127人が本棚に入れています
本棚に追加
* * *
「総司はいつもやり過ぎなんですよ」
甘味処に行く途中、平助があたしに説教をし始める。
けれど、素直にはいそうですか、と聞いてやる事は無い。
「良いじゃねえか、別に。 平助は大人し過ぎるんだよ」
そう一気にまくし立てると、頭の後ろで手を組んだ。
すると平助はばつが悪そうに口をヘの字に曲げる。
「まー、いーじゃん? 仲良くしようぜ? 女同士。 なあ紫帆(しほ)」
「その名前で呼ばないで下さい。 その口塞ぎますよ? 力ずくで」
「嫌だね。 良いじゃん、 あたしらしかいないんだし」
「はぁ……。 もう良いです。 早く行こう」
これが、あたしたちの日常。
平助、いや紫帆は呆れてものも言えないようで、丁寧だった口調はどこへやら。
……まあ、そうしたのはあたしなんだけれど、ね。
「あ、沖田はんに藤堂はん。 今日も来てくだはったんどすか?」
最初のコメントを投稿しよう!