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「あたしってそんなめんどくさいか?」
「……え? どうしたの、急に」
「だってあからさまに紫帆、嫌な顔するだろ?」
「別にめんどくさくもないし、嫌いじゃないよ。 けど蒼は度が過ぎる」
「し――」
「―――お待ちどおさま! いつものおす」
「あ、ありがとう」
そう言って紫帆が店員に笑顔を振り撒く。
するとその店員は何を勘違いしたのか知らねえが、頬を赤らめた。
……あたしたちにとって、こんな事日常茶飯事だからどうでもいいけれど。
「そういえば、何で蒼は刀を持つ事にしたんだっけ?」
「んあ? さあ、何だっけな?」
「まさか忘れたのー!?」
「は? な訳ねえよ」
「じゃあ何?」
「近藤さんを守るため」
あたしが刀を持つ事を決めた理由。
それは、少なからず近藤さんの影響だ。
あんな、優しい人になりたいと願っていた当時。
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