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―――嘉永七年七月 文月上旬。
「近藤さん近藤さんッ! 見て見て、土方さんに作ってもらったの! 嫌々だったけど」
「おお、そうか! 良かったなあ!!」
あたしみたいな子供の自慢を、いつも笑顔で聞いてくていれた近藤さん。
その分土方さんは厳しくて、大嫌いだったけれど。
でも、それでも優しくしてくれた。
「おい蒼。 嫌々っつーのは何だ、嫌々っつーのは」
「あはは!! 土方さん怖ーいッ! でも蒼の為にありがと!!」
「――…ああ」
「歳は手先が器用だからなあ。 折り紙は俺じゃなくて、歳に頼めよ」
「うん!」
平和だった。
あの頃は。
あたしはまだ当時十歳で、試衛館に引き取られたばかりの生意気な餓鬼だった。
けれど近藤さんはいつも優しくしてくれた。
―――こんな、足手まといなあたしに。
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