西暦2010年、日本にて

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「ねえ、いーちんはここの私好き?」 料理をしていると後ろでカウンターに頬杖しているラウドさんが声をかけてきた。 時計の針は二時半を過ぎたところを指している。 窓から見える空には星と月が浮かんでいた。 『眠れないし、ブレイズも寝ちゃったんだよね・・・。』 なんだとか。 私もあまり寝付けなくてお腹すいたから別にいいんだけどね。 「今日はチャーハンですよ!」 「ち、ちゃーふん?」 おまわず吹き出してしまった。 「ハンですよハン!チャーハン!」 ハンとかちゃーふんとかやっぱり世界が違うのを実感する。 「チャー・・・ハン。ゴクッ。」 いい匂いが漂ってるのか喉がなっていた。 後ろをちらと見ると目を輝かせてお尻を振っていた。 多分尻尾のかわりにふってるんだろう。 「っほい。これがチャーハンです。」 さらに盛り付けると箸を使うわけでもなく蓮華を使うわけでもなく。 なんとそのままかぶりついたのだ。 驚いて声も出せずにいると物の数秒で綺麗に平らげてしまった。 「ふぅ・・・上手かった!!」 食べ終わるやいなや満面の笑みで私の方を向いていた。 「ありがとね!!」 そういうと部屋を出て階段を走って上っていった。 ハッと我にかえって床を見てみるとチャーハンがボロボロとこぼれていた。 「なんか犬だ。」 ん、そういえば私の分も食べられちゃった・・・。 『ありがとね!!』 「・・・でもまあ、いっか。」 私はあの笑顔を忘れないだろう。
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