凛花

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 本当の私の居場所など、何処にもないの。  店があるビルの最上階に行くと凛花は重厚なドアの前に立ち、ノックをした。 「凛花です」 「入れ」  窓のブラインドが閉められた広い部屋には応接セットが置かれている。紳士然とした男が2人座っていた。  一人がこの鈴蘭のオーナーとして君臨する田崎だ。 「銀座の店が手に入るぞ。その為にちょっとお前の接待が必要でな。分かるな」 「……はい」
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