ネオン蝶

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 シガレットケースか。  夜の街の商売女の持ち物である事が一目で分かる装飾が施されていた。  朝日を浴びて光り輝くスワロフスキーのシガレットケースの側面に、深紅の小さな石がRINKAという文字を象っていた。  リンカ。  名前に聞き覚えがあった。  龍吾が思考を巡らせていた時、柔らかな甘い声が龍吾の耳に滑らかに響いた。 「それ、私のです」
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