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思わず固唾を飲む。
「あ、いや」
柄にもなくどぎまぎする自分に戸惑った。
「じゃあ」
彼女はシガレットケースをバッグにしまうと柔らかな微笑と共に微かな会釈をし、夜明けの街に消えて行った。
「誰だ?」
店の子達を一緒に大通りまで送ってきた用心棒仲間のシュウが、煙草をくわえながら龍吾に聞いた。
「どっかの店の子らしいな。リンカって名前らしい」
ライターを灯したシュウが、口にくわえていた煙草を落とした。
「鈴蘭の凜花だ!」
あ! 鈴蘭の!
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