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白い花びらのような手のひらで、ピンク色の石達がまるで一つ一つ意思を持っているかのように光る。凛花は小さなため息をついた。
ローザのボーイ龍吾。
この街のキャバ嬢達の間で、少し有名な男だった。
スラリとした体躯に精悍な顔立ち。用心棒としての強さを内に秘めるが、あくまでも影として務めている。
「私は、ずっと前から知っているのよ。貴方のこと」
凛花は小さく呟くと、手の中のシガレットケースをバッグにしまった。
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