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見た目と話し方のギャップに少し笑った。
「よろしいですか?」
ルルは睨むかのように俺の顔を見た。
驚いた俺はただ頷くしかなかった。
まさか、データの少女に睨まれるとは思わないだろ?
ルルは続ける。
「ここからは姫様お願いします。」
ルルがお辞儀をする。
お辞儀の先、俺の後方から姫様とやらが出てきた。
いったいどこから?と思ったがまぁゲームだしと考えるのをやめた。
姫様は一礼し話し始めた。
「今から300年前、世界を恐怖に陥れた魔王がいました。
魔王は軍を率い、人類を滅亡寸前まで追い詰めました。
生き残った人類は強固な建物を造り逃げ込みました。
そこから人類と魔王との血で血を洗う攻防戦が続いたのです。
長く永い時間が流れ一人の男の子が産まれます。
逞しく成長した男の子は仲間と共に魔王の軍を打ち破り、魔王までたどり着きました。
ついに決着の時。
仲間が一人、また一人と倒れていきます。
激戦の果てに男の子は魔王に勝利した、とされています。
これでめでたしめでたし。
と、なるところが、最近になり魔王の軍の活動が活発になり、魔王が復活したと噂されるようになりました。
事実、街は廃墟になり魔王の軍が暴れ回っています。
私たちは、またあの男の子が現れることを祈り続けました。」
話し終わると姫様はまた一礼した。
「姫様ありがとうございました。」
姫様チョイ役だなぁと思いながら、ルルの方に振り返った。
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