僕が雪を愛せないちっぽけな理由

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唐突な展開で本当に申し訳ない限りだが、 まず回想。 僕の前に雪が降ってきた、そんな時の回想である。 寒い寒い冬の日、確か12月24日。 俗に言うクリスマスイブの日にそいつは降ってきた。 ―降ってきやがった。  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 「あー寒い寒い」 黒いコートに身を包み、街中の待ち合わせ場所としては有名な公園の、街灯の下に僕は立ち尽くし、 チラチラと時計を気にしている。 もう2時間も待ち合わせ時間を過ぎている。 諦めて帰ればいいのだろうか・・・ 途端僕は虚しくなって、涙を目に溜める。 それがこぼれないように上を向くと、 いつの間にか雪が降っていて その雪はカップル達を祝福し 僕を侮辱しているようだった。
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