0人が本棚に入れています
本棚に追加
しかし僕が彼女に目を奪われたのは少女が美しいから抱けでもない気がする。
「・・・えと
大丈夫ですか?」
僕が心配したのは彼女の事に違いないのだが、ぶつかったからではない
それは彼女の異様な格好に対してだった
ノースリーブの膝辺りまでの、白いワンピース
そして裸足。
なんだ、裸足をのぞけば、服装に関しては普通じゃないかと思うかもしれないが―違う。
今日はクリスマスイブでしかも雪まで降りだしているのである
いくら暑がりだとしてもノースリーブで耐えられる寒さじゃないのだ
現にコートを着ているぼ僕だって寒さに震えている。
少女は僕なんていないかのように歩いていこうとした
が、僕は反射的にそれを止めた。
わざわざ肩なんて掴んで、止めてしまった。
その肩は、人とは思えない柔らかさだった
比喩とかじゃなくて本当に
豆腐の比じゃない柔らかさだった
最初のコメントを投稿しよう!