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勿論、ジェシカは、ドレスや宝石がないからと断った。
しかし、スーザンは自分のものを貸すと言う。
知らない相手は嫌だと言うと、同じクラスのフランクだと言う。
彼は気さくな少年で、割りと本も読むので、ジェシカとも仲が良かった。
結局、それ以上断る理由を見つけられず、ジェシカは渋々承知したのだった。
ドレスはまるで、ジェシカに誂(あつら)えたかのようにピッタリだった。
宝石は無くすといけないからと断ったが、イミテーションだからと押し切られた。
そして気づけばスーザンとフランクと共に、プロムの会場にやって来ていたのだ。
スーザンはパートナーが先に来ているからと、すぐに姿を消してしまった。
フランクはドリンクや食事を持って来てくれるのだが、何かを気にしているようで、常にそわそわしている。
きっと自分の相手に疲れたのだろうと思い、ジェシカは少し休みたいからと、フランクをフロアに送り出した。
壁の花になったジェシカは、ぼんやりと華やかな会場を眺めていたが、突然、自分がとても場違いな事に気づいたのだ。
その結果、ジェシカは軽く悪態をついて会場を飛び出したのだった。
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