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「ジェシー、ここにいたのか? 探したぞ」
ジェシカの後ろからフランクの声が聞こえた。
少し息が荒い。
ジェシカを探していたのだろう。
彼女は振り返ると、
「ああ、フランク。ごめんね、ちょっと外の空気が吸いたくなったの」
物思いに耽っていた為、少し寝惚けた感じの顔をしているだろう。そう思いながら答えた。
「いや、俺の方こそいなくなってごめんな。そろそろプロムも終わるぜ。スーザンも待ってるし、会場に戻らないか?」
自分で思っていた以上に、長い時間ぼんやりしていたようだ。
ジェシカはフランクの後をついて、会場に向かった。
しかし、フランクは会場の中には入らず、迂回して入り口に向かっていく。
ジェシカは不思議に思いながらも、後をついて行った。
そこにはスーザンが立っていた。
「ジェシカ、どこに行ったのかと思ったわ。でも間に合って良かった」
ジェシカは更に訳が分からず、訝しげに二人の顔を交互に眺めた。
スーザンはそんなジェシカを無視して、彼女の化粧を直したりしている。そして納得したのか、満足げに笑うと、
「こっち!」
これから悪戯でもするかのような楽しそうな顔で、会場の入り口の方へジェシカの手を引っ張って行った。
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